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【その人らしさを取り戻すチャレンジ(常食化)】

【その人らしさを取り戻すチャレンジ(常食化)】

【その人らしさを取り戻すチャレンジ(常食化)】

昨年末、小さな小さな声で「刺身が食べたい」と言ったSさん。
魚長でマグロの刺身を購入し、食べやすいように細かくしてからまた形に戻し提供した。
この頃は咀嚼も弱く、形態を落として安全に食事を摂って頂いていた。

この3ヶ月、座る姿勢の見直し、おしゃべりで口腔機能向上、食事形態も状態を見ながら少しずつUPさせるなど工夫してきた。

そして本日、試しに米飯を食べてみた。
結果、まだ安全に摂取することは出来なかったし、溜め込んでしまう、残渣が多いなどの課題は見つかったが、3ヶ月前に比べると各段に良くなっている。

取り組みは確実に成果を上げているし、可能性を感じることも出来た。
「常食」は「介護食」に比べ見た目も良いし、何より美味しい。
そして医学的なメリットも多い。
・よく噛むことで神経が活性化する。
・咀嚼回数が増え、唾液分泌も良くなることでムセが少なくなる。
・唾液が増えると消化を助け、胃も動く。
・唾液が増えると口の病原菌を防いでくれる。

Sさんが常食化を目指すためには「食物認識のUP」や「咀嚼による食塊形成」を高めていく必要があると感じた。
【その人らしさを取り戻すチャレンジ(常食化)】
新年度しっかりと取り組んでいきたい。

【暮らしの場がもたらす力】

【暮らしの場がもたらす力】

退院してらしさに戻ってきて20日が過ぎた。
入院中は食べられなかった食事も少しずつだが食べられるようになってきた。
記憶もほぼ入院前に戻ったと言える。

「療養」から「暮らし」へ。
まずはベッド上にいる時間を減らすことから。
朝パジャマから洋服に着替え、メイクをしてみんなのいる場所へ。
みんなとおしゃべりすることで気が紛れる。
先日はトイレに座る事も出来た。

そして今日は放デイらしさのみんなも元気づけに来てくれた。
これで元気100倍。

「暮らしの場がもたらす力」は確実に変化を生み出している。

らしさケア「調理」

らしさケア「調理」

昨年春、全国の先進事業所を見学させて頂いたが、毎日利用者と一緒に調理を行っている小規模多機能は決して多くなかった。
確かに「調理」にかかる人的負担は大きいが、らしさでは「調理」を「食の提供」としてだけでなく、「認知症ケア」や「生活機能向上訓練」としても位置付けている。

らしさの利用者も自宅では調理を行っていない方がほとんど。
なぜなら実行機能障害があるため、最初から最後まで工程通りに作業することが難しくなっているためだ。

例えば餃子の包み方であれば

  1. 皮に具を乗せる。
  2. 皮のフチに水をつける。
  3. 皮をとじる。
  4. ひだをつくる。

の工程があるが、②が抜けたり、③が抜けたりする。
だから職員はその抜けた部分をさりげなく補っていく。
具の量が多すぎれば減らしてあげたり、水をつけてあげたり。
そうすれば美味しい餃子を作ることが出来るのだ。

認知症になっても包丁で食材を切ったり、材料を混ぜたり、包んだりと動作を体で覚えていることが多い。
その「出来る」部分を引き出せる「調理」は「その人らしさを支える」ためにもとても有効と考えている。

調理を通して、利用者一人ひとりの能力を見極めて、出来ない事だけさりげなく支援することで「その人らしい暮らし」を支えていきたい。

食事介助

暮らしの場がもたらす力

おおよそ1ヶ月半の入院を経て、再び在宅生活が始まる。

医療的には非常に難しい状況と言われた。

そんな中「らしさケア」は一体どこまで及ぶだろうか?当面「泊まり」を利用して心身機能の回復を目指す。

らしさに到着すると「懐かしいね」という言葉が聞かれた。少しずつ記憶を取り戻していって欲しい。

年明けから一切食事を摂っていなかったSさん。

らしさに帰ってきてさっそく食べたい言ってくれたものは「やきとり」。職員はすぐさまスーパーで購入。

仲の良い利用者を誘って、楽しく会話しながら1本を平らげた。

お酒も飲みたくなってきたとも言っていた笑「暮らしの場がもたらす力」とは?らしさケアにとってもチャレンジが始まった。

指示を分解する

【指示を分解する】

認知症ケアの基本に「一度に沢山の事を伝えない。」「1つずつ指示を出す。」とある。

このことを理解してケアにあたっているつもりだったが、十分に理解出来ていなかったと反省。

うがいが上手く出来ないSさん。

口の中に溜めることも、ブクブクも出来ないため、食物が残渣してしまう。

口腔衛生の為に口腔ケアスポンジを使って介助して除去する。

これは「うがい」を一つの動作と捉えてしまっており正しい声掛けが出来ていないことが要因だった。

うがいという動作を分解してみると

  1. 水を口に含む
  2. 水を口の中に溜める
  3. ブクブクする
  4. 水を吐き出す

と複数の動作が組み合わさって構成されていた。

そこで「分解」し、一つずつ指示を出してみたところ上手にうがいをすることが出来たのだ。

Sさんは①水を口に含んだ後、②③の動作を想起できず、④水を吐き出す動作を行ってしまっていたのではないだろうか。

介助者が正しい声掛けを行うことで、本人が有する能力を発揮出来、結果的に自分自身で口の中を綺麗にすることが出来るようになった。

車椅子⇔椅子の移乗も同様で、これまでは腰を伸ばさず、低空のまま乗り移ろうとしていたが

  1. 立ち上がる
  2. 立位を保持する
  3. 座る

と動作を分解して指示を出すことで以前に比べ立ち上がりが良くなったように見えた。

改めて認知症を正しく理解し、適切な声掛けをすることの大切さを学んだ1日となった。

一体何が出来るか?~献身

年末に体調を崩し入院生活を送っているSさん。
身体のこわさからこの先のことについて不安や葛藤を抱くも考えることすら出来ない状態が続いていた。

「らしさとして一体何が出来るか?」

職員のみんなは遠方のため面会に行くことが出来ない家族に代わって毎日面会に行ってくれた。時に励まし、時に不安な思いに寄り添いながらとにかく一緒に過ごす時間を作ってくれた。記憶が失われていると感じれば入院前の様子を動画で見せながら記憶のサポートもしてくれた。

すると日に日に表情が良くなってきた。
相変わらず食事は食べたくないようだが、好物のアイスを持参すれば「美味しい」と言って食べてくれるようになった。
以前は目を開けていることすら辛そうにしていたが、段々と目に力も出てきたように感じる。
努力の甲斐ありSさんの意思決定能力はだいぶ高まったように思う。

この先暮らしていく場所について判断しなくてはならないタイミングが近づいていたこともあり今一度聞いてみた。

「らしさに帰りたくなった?」
「もう半分帰ってるようなもんだよ!」

らしさに戻りたいと思ってくれたようだ。
何よりも納得をして決めてくれたことが嬉しかった。

来週からはまたらしさでの生活がはじまる。
色々課題はあるが、かつてのSさんらしさを取り戻してもらえるよう、みんなで力を合わせて頑張っていきたい。

【地域の仲間入りが出来たかな?】

昨日は小規模多機能ホームらしさ(久根別)が加入している「久根別はまなす町内会」の新年会に出席させて頂いた。

50名近い参加者が大盛り上がり。

とても楽しい時間だった。

らしさホーム長の入間川が歌う「島人ぬ宝」に合わせて皆さんが笑顔で踊っている様子を見て、「この10年で何とか地域の仲間入りをさせて頂けたのかな。」と感慨深かった。

ひな祭り、夏祭り、文化祭と毎年沢山の行事に参加させて頂き、皆さんとっても良くして下さる。

このご恩を決して忘れず、これからも久根別地域の一員として、自分達に出来る事をやっていこうと心に誓った一夜であった。

「Good Job Card」制度

【「Good Job Card」制度】

今日は介護主任と職員会議前の打ち合わせ。
次年度の取り組みなどについて話し合ったのだが、その中で嬉しい報告。

らしさでは泊まりが多い利用者については衣類を預かり衣装ケースに収納することがあるが着替えの際など衣類を取り出す度に少しずつケース内が乱れていくのだが、
「開けた時に衣類がきちっと収納されているととっても気持ちがいいです。」
「こういう細かいところをしっかり気遣える職員がいてくれるんです。」と。

「物を大切にする」、「環境整備を怠らない。」などは皆が皆出来る事ではない。意識をしないとなかなか継続することが出来ないと思う。

でもこうした意識を持っている人は「ぬくもりのあるケア」が提供出来るのだと思う。

そして何よりこういう細かい貢献を見逃さない会社でありたいと思う。

ANAグループには「Good Job Card」制度という仕組みがあるらしい。
社員同士が互いの仕事のよいところをカードに記入して手渡すようだ。

働きやすい職場づくりには仕掛けも必要だと思う。
次年度に向けて、新しい取り組みを考えていきたい。

揺れる思いに寄り添い、伴走する

【揺れる思いに寄り添い、伴走する】

昨年の秋、らしさでお看取りしていた様子を見て、「私もやっぱりあんな風に逝きたいね。」と言っていた。
「らしさのみんながいて、賑やかな中看取られたい。今から言っておくね。」と約束した。
いつも前向きで、何事も「やってみよう!」とチャレンジする姿が印象的。

年末から入院となった。
基礎疾患があって、高齢で、回復は容易ではないという。

担当医からの病状説明や退院サポート室からの情報提供を総合的に判断すると、らしさに戻ってくることは不可能ではないのでは!?
過ごし慣れた環境の方が良い面もあるかも。
幸い今であれば状態も落ち着いており、戻るには悪くないタイミングだという。

あの時交わした約束を確認にいく。
どんな風に伝えるか、、、
希望の灯を絶やさぬよう、でも判断するにはある程度の正しい情報も必要ではないか。
知る権利もあるし。

悩みに悩んで、いざ本人に伝える。

それを聞いた本人。
しばらく悩んだ結果、「このまま(病院)がいい。安心だから」と。
悩んだ末に出してくれた大切な大切な意思。
ちゃんと本人の口から聞けて良かった。

今日改めて大切だと感じたことは
「思い(気持ち)は常に揺れ動くもの。」
だからこそ、場面場面で丁寧に「意思」をしなければならないという事。
そして「揺れる思いに寄り添い、伴走する」事。

入院していても、自分達に出来事はきっとある。
自分達に出来ることを考えようとみんなに伝えた。

職員はさっそく、亡きご主人の月命日のお供えを本人に代わって行ってくれた。ありがたい。
次面会に行ったらちゃんと伝えてこなくちゃ。
絶対喜んでくれる。

守るべき習慣

【守るべき習慣】

写真はらしさの師範がお正月にササっと書き上げた水墨画。
激似!!こういう絵が描ける人って羨ましい。

今日は改めて大切だと痛感した事をアウトプットしたいと思う。

排泄習慣とは、食事や活動性などの生活習慣と大きく関わっており、まずは習慣を確立することが大切である。
その事は身をもって分かってはいるのだが、果たして私たちは利用者一人ひとりの習慣をどこまで守る事が出来ているだろうか。
沢山の利用者がいるため、どこか「それは難しい」と思っている自分もいて、、、。

らしさにも排便ケアがうまくいかない方がいる。
ご自宅でも苦労されていて、私たちもどうしたらよいものかと頭を悩ませていた。
もともとは毎日出ていた方で自宅では朝食後に10分ほどトイレに座るのが習慣だと言う。

しかし私たちはその10分を確保しようとする意識が十分でなかった。
つまり「守るべき習慣」を守れていなかったのだ。
決して軽視をした訳ではないが、大切な事が抜け落ちた結果だと言える。

その習慣を大切にして、活動量も増やした現在はとても調子出ており、ご家族も大変喜んでおられる。

自宅⇆らしさを行き来している方の習慣を守ること。
今一度重きをおいていかなければならない。

「命を守るケア」
私たちは今一度このケアについて深めていく必要があると痛感した。