取り組みはまだまだ途中だが、少しずつ変化を感じている。
「少しでも食べて欲しい」という支援者の思いが結果的に本人の意向に背くことになってしまっていたのかもしれない。
「食べて欲しい」の呪縛を解き放ち、原点に立ち返って、「本人の食べたい時」に「食べたい物」を「食べたい分だけ」食べてもらおうという意識が本人にも伝わっているのかもしれない。
変わったのは本人ではなく、私たち支援者の意識。
生活全般において、本人の過ごし方を考え直した。
離床のタイミング、離床時の声の掛け方、余暇の過ごし方。
本人の意向を最大限尊重して、決して支援者の都合で行わないように意識した。
食べる物も「今日はこれ」ではなく、献立が好みでなければ市販の食品も使って自己選択が出来るようにした。
そしていつもは「もう少し食べて欲しい」と口をつぐんだ後にも「最後にもう一口」とスプーンを運んでいたが今は「いらない」という意思を尊重して切り上げるようにした。
取り組み後、心なしか表情も穏やかになったような気がする。
そしてまだ数日ではあるが食事量も水分も増えている。
まだまだ取り組みの途中なので一喜一憂は出来ないが、私達はこの取り組みからまた一つ大きな学びを得ることになるかもしれない。
今日は七草粥を作ってみんなで食べた。とても美味しく、優しい味だった。