認知症ケアの基本に「一度に沢山の事を伝えない。」「1つずつ指示を出す。」とある。
このことを理解してケアにあたっているつもりだったが、十分に理解出来ていなかったと反省。
うがいが上手く出来ないSさん。
口の中に溜めることも、ブクブクも出来ないため、食物が残渣してしまう。
口腔衛生の為に口腔ケアスポンジを使って介助して除去する。
これは「うがい」を一つの動作と捉えてしまっており正しい声掛けが出来ていないことが要因だった。
うがいという動作を分解してみると
と複数の動作が組み合わさって構成されていた。
そこで「分解」し、一つずつ指示を出してみたところ上手にうがいをすることが出来たのだ。
Sさんは①水を口に含んだ後、②③の動作を想起できず、④水を吐き出す動作を行ってしまっていたのではないだろうか。
介助者が正しい声掛けを行うことで、本人が有する能力を発揮出来、結果的に自分自身で口の中を綺麗にすることが出来るようになった。
車椅子⇔椅子の移乗も同様で、これまでは腰を伸ばさず、低空のまま乗り移ろうとしていたが
と動作を分解して指示を出すことで以前に比べ立ち上がりが良くなったように見えた。
改めて認知症を正しく理解し、適切な声掛けをすることの大切さを学んだ1日となった。